8-4. T7 RNAポリメラーゼによる発現系
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1) pETベクター
pETベクターは本来のアミノ酸配列をもったタンパク質の発現に使われる
ベクターはT7ファージRNAポリメラーゼが結合するプロモーターをもち、その下流に翻訳開始コドンのATGを含む制限酵素配列(e.g. Nde I→CATATG)がある
このベクターを利用する場合、目的のcDNAの翻訳開始ATG配列を人為的に変異させてNde Iとコード領域下流部分の適当な部位で切り出し、ベクターに挿入することができる
挿入遺伝子の自前の開始ATGコドンから翻訳が始まる
2) 発現制御系:pETシステム
pETベクターを使う大腸菌は、タンパク質分解酵素活性の少ないBL21株で、ゲノムにあらかじめ組込まれているT7RNAポリメラーゼを発現させることができる
発現はlacIとlacUV5プロモーターの支配を受けるが、通常はlacIによりプロモーターは抑制されている
IPTGを加えて誘導すると、lacUV5プロモーターが働いてT7RNAポリメラーゼが細胞内でつくられ、それがpETベクター上のプロモーターに結合して目的cDNAが発現し、結果的にタンパク質が産生される
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pETベクターには、lacIとT7プロモーター下流にlacオペレーターをもち、非誘導時のタンパク質産生を最小限に抑える改良型もある